国が2000年に実施した乳幼児身体発育調査で、喫煙する妊婦は10%に上る。10年前の5・6%に比べ倍近い。このうち1日11本以上吸う妊婦は22%を占める。
「喫煙する妊婦は、若いときから吸い始め、夫や両親が喫煙する人に多い。喫煙が悪いとの自覚はあるが、胎児へのリスクは考えない人が目立つ」。
妊婦向け禁煙外来を04年に開設した大阪府立母子保健総合医療センター母性内科副部長の和栗雅子さんは指摘する。
妊婦の禁煙指導が求められるのは、喫煙する女性の増加に加え、胎児の発育に影響することがわかってきたからだ。厚生労働省研究班によると、喫煙妊婦から2500グラム未満の低出生体重児が生まれる割合は、非喫煙妊婦の約2倍だ。赤ちゃんの体重も平均200グラム少ない。早産、自然流産の発生率も高まる。
発育に影響するのは、たばこに含まれるニコチンと一酸化炭素によって血行が悪くなり、胎児が低酸素状態になってしまうためだ。そのため同センターでは、ニコチンの尿中濃度、一酸化炭素の呼気濃度を測定し、それを基に禁煙指導を行う。約8割が「妊娠初期に禁煙すれば胎児への影響は少ない」ということを理解し、一度は禁煙する。しかし、出産後まで禁煙が続く人は、喫煙する妊婦の約3割にとどまっている。
一方、飲酒の影響も注目される。厚労省研究班によると、妊婦が1日にアルコールを60ミリ・リットル(グラス4杯のワインに相当)摂取すると、胎児の成長障害を引き起こす率が高まることがわかっている。
国立成育医療センター周産期診療部長の左合治彦さんは、「胎児に影響のないアルコール摂取量は不明だ。少量でも胎児に影響を及ぼす恐れはある」と妊婦の飲酒は控えるよう警告する。
