1年間に生まれる赤ちゃんの数は少子化の影響で、減少傾向にあるが、2500グラム未満で生まれる「低出生体重児」の割合は増加している。厚生労働省によると、1990年に全出生数の6・1%だった低出生体重児は、2006年には9・6%まで上昇した。
兵庫県立柏原病院副院長の上田康夫さんは、「妊婦が太らないようにしているため。特に、やせ形や標準体形の人までが体重抑制したことが大きい」と指摘する。赤ちゃんの大きさは、母体の体重増加に関係する。体重増加が7キロ未満の妊婦は、2500グラム未満の低出生体重児を産みやすいと言われる。
こうした傾向は、30年以上前から提唱された「小さく産んで大きく育てよ」という考え方と日本人女性のやせ願望が重なったためとみられる。妊婦の肥満は、妊娠高血圧症候群(妊娠中毒症)にかかりやすく、体重4000グラム以上の巨大児が生まれる率も高く、難産にもつながるとされてきた。
しかし、最近、「小さく産め」という指導はやめるべきだとの声が高まる。2500グラム未満で生まれる子どもが増えている上、低出生体重児は成人後、糖尿病や高血圧などになりやすいという研究が相次いでいるからだ。
国立保健医療科学院母子保健室長の滝本秀美さんは「やせた妊婦の増加は、子供の発育を損なう。適正な体重増を知ることが大事」と話す。
厚生労働省は、肥満度の国際指標「BMI」による「普通」「やせ形」「肥満」を基に、妊娠中の体重増加量の目安を公表している。普通なら7~12キロ、やせ形の場合は9~12キロを推奨する。
滝本さんは、「日本人の感覚では太りすぎと感じるかもしれないが、子供のためには一定の体重増も必要」と語る。
