2月20日1時0分配信 毎日新聞
高松市の香川県立中央病院で19日明らかになった、不妊治療中の体外受精卵の取り違え疑惑。「誰の受精卵か確認できないのか」。治療を受けた20代女性は昨秋、ミスを告げられて人工中絶したが、病院側は中絶の前、出産に希望をつなごうとする夫婦の質問に「6週間後なら分かるが、その時に中絶すると母体に負担が大きい」と説明していた。待ち望んだ妊娠だったのに......。夫婦は3日後、中絶を決意したという。
「(受精卵を)誤った可能性が高い」。昨年11月7日、夫婦は中央病院で、担当医(61)や米沢優・産婦人科主任部長らから、取り違えの恐れがあることを告げられた。 女性は中央病院の前にも約1年間、他の病院で不妊治療を受けていたという。ミスが起きたのは昨年4月に中央病院に来てから2度目の体外受精の時で、体内に受精卵を移植したのは初めてだった。妊娠の喜びをかき消され、夫は「いいかげんにしろ」と厳しい口調で詰め寄った。 説明は約1時間に及んだ。「どちらの(カップルの)受精卵か分かる方法は」。子供を産みたいという思いから質問する夫婦に、担当医は「(今から)6週間後に羊水検査をすれば分かると言われているが、100%信用できる検査機関を私は知らない」と答えた。 その場で女性は「100%自分の子供なら産みたい」と涙を見せたが、3日後、夫から病院に中絶すると電話があった。中絶した時は妊娠9週目だった。 県側はこの問題で19日夕、県庁で松本祐蔵院長、米沢部長、平川方久・県病院事業管理者が謝罪会見。ミス発覚後は「必ず作業は2人で行い、2人で確認する。培養シャーレに個人名を記入するなど徹底している」と説明したが、当時は体外受精のマニュアルに事故防止などの記述はなく、手順を記した程度だったと述べた。 *************** 体外受精のマニュアルに事故防止などの記述はなかった、とあるが、そんなものがあったとしても、携わる人間の注意力がなければ意味はないような気がする。
発育確認と培養液の交換をした際、直前の作業で台に残っていた40代の患者のシャーレに女性のシャーレのふたをして培養器に戻し、数日後に受精卵を女性の子宮に戻した疑いが強いという。
受精卵の数を確認して、その作業を終えてから次に取り掛かるべき、とても初歩的なミス。 受精卵の数は患者によって異なるが、それほど多いとも思えないが。 作業台にシャーレが残っていたとしても、20代の女性の受精卵の数を確認すれば、この時にひとつ多いことに気付けたのではないだろうか。 間違われた40代女性も複雑な心境だろう。 もちろん事故があって誰も喜ぶものはいない。 その受精卵が100%わが子ではないと言い切れないなら、私も中絶を選んだかもしれない、と思う。でも、その決断へ行き着くまでに、「このまま(自分たちの受精卵で)不妊治療を続けていても、妊娠しないかもしれない。それなら他人の受精卵で妊娠しても、出産は自分で出来る」とも悩んだだろう。 まだ20代、ということだから希望を取り戻してほしいと思う。 |