むくみ退治
☆心がけたい足の運動
東洋医学では、むくみを「水毒(すいどく)」ととらえる。東京女子医科大学東洋医学研究所長の佐藤弘さんは「漢方では、気と血と水の三つの要素のバランスで体調を考える。何かの理由でそのバランスが崩れ、水分代謝がうまくいかない状態のことです」と説明する。
気は、心の働きや生命エネルギー全般。血は血液。水は、リンパ液や汗なども含めた体液全般をさす。むくみは、水毒の中の代表的な症状の一つで、体液が体にたまったために起きると考えられている。
むくみを起こす理由は様々だ。代表的なのは、腎臓の病気。腎機能が落ちて、水分を排出できず、全身のむくみとともに尿の出が悪いなどの症状が表れる。肝臓や心臓、甲状腺の機能が落ちている時も、むくみが現れる。だるさや息苦しさを伴うなど、いつもとは違うむくみ=表参照=を感じたら、病院で受診したい。
病気とまではいかないむくみでも、水毒ととらえ、体質を改善するのが漢方の治療だ。大地の恵みのエネルギーを取り込み、気に関係する臓器とされる胃腸の機能が弱い人も水毒を起こしやすい。血の巡りが悪い冷え性や、月経トラブルの多い女性もむくみやすくなる。
「夏は、冷たいものを食べて、胃腸を壊しやすくなる。冷房で体を冷やし過ぎて、冷えが起きることもある。水毒を起こしやすくなる季節なのです」と佐藤さんは話す。
水毒を防ぐためには、気、血、水の三つのバランスを整えることが大切だ。胃腸の機能を整え、血の巡りを良くするために適度に動いて、汗をかいて水を出す。特に、「第二の心臓」と言われる足を動かす運動は、効果がある。生野菜や果物も体を冷やす働きがあるため、取りすぎはいけない。夏はシャワーだけですませがちだが、浴槽の湯につかって体を温めた方が良い。
むくみを体からのサインと見て、体調や生活スタイルを見直すことを心がけたい。(大森亜紀)
気を付けたいむくみ
◆むくみと一緒に、息切れ、疲れやすい、尿の出が悪い、急に体重が増えたなどの症状がある
◆片足や片手だけむくむ
◆足以外に顔や手にむくみがある
◆朝になってもむくみが取れない
◆いつもと違うむくみがある
◆脈拍数が1分間に60を切るほど少ない