習慣流産防ぐ着床前診断
出産率16%が27%に
染色体異常のため流産を繰り返す習慣流産の患者に、
着床前診断を行うことで、流産の比率が大幅に低下することを、
これまでに7000件以上の着床前診断を実施した
米国生殖遺伝研究所のサンチアゴ・ムンネ所長が来日して会見し、明らかにした。
着床前診断は、体外受精を行い、受精卵の染色体や遺伝子を調べる検査。
ムンネ所長によると、染色体の一部が入れ替わる「転座」がある場合、
従来はいったん妊娠しても79%が流産していた。
しかし、着床前診断で妊娠継続の可能性が高いと判断した受精卵を子宮に移植すると、
流産の比率は9%に低下した。
出産に至る確率も、従来は何度か治療しても16%だったが、
体外受精と着床前診断を1回行った場合で27%と、通常の体外受精の水準に向上した。
日本産科婦人科学会は4月、転座による習慣流産に対する
着床前診断を容認したが、
「国内外のデータでは、着床前診断を行っても出産の確率は変わらない」と説明している。
これについて、無申請で着床前診断を行い、
学会から除名された大谷徹郎・大谷産婦人科院長(神戸市)らが会見に同席し、
「学会の説明はデータの解釈を誤っている」として、
抗議文と公開質問状を送ったことを明らかにした。
(2006年6月2日 読売新聞)